30歳女性独身です。私は25歳の時に2歳年上の男性と交際していました。彼は大学時代のサークルの先輩で、社会人になって大学時代の交友関係から疎遠になっていた頃に彼から連絡があり、以降やり取りを経て交際を始めました。同じサークルの仲間だったこともあり、彼とは趣味や食べ物・洋服等の好みがとても似ていました。私が食べたい物は言わなくても彼の方から察して買ってきてくれたり、逆に私が彼の趣味を察して洋服を選んであげることも度々ありました。そんな交際が続いて半年頃経った時、私はとあるブランドにハマってバッグや洋服を集めていました。そして都内の某百貨店でこのブランドの限定品が販売されるという情報を耳にしました。その限定商品は小さなハンドミラーで、とても可愛らしいデザインと「限定品」という売り文句に弱い私はどうしてもミラーが欲しいと思っていました。しかし当時は仕事が軌道に乗ったこともあって多忙な毎日が続いており、買い物に出掛ける気力も殆ど無くなっていました。ブランドバッグ等は全てネットショッピングで購入するほど疲弊しきっていたのです。無論、発売日当日も朝早くから仕事に追われて結局ミラーを買いに行くことが出来ませんでした。買いに出かける気力も無ければ仕事が忙しくて時間的余裕もありませんし、何よりミラーの発売開始時間が始業時間と被っていたのでどうにも購入することは不可能だったのです。その日は欲しかったミラーが買えなかった悔しさと、深夜までの残業による精神的疲労を抱えたまま帰宅しました。SNSを開けば女性たちがその日に手に入れた限定品のミラーの写真をアップしており、尚更気分が落ち込みました。その数日後、ミラーを買えなかった未練タラタラな状態の私は彼と都内デートに出掛けました。私は、彼の前ではこんな個人的でちっぽけな未練は見せまいと元気な笑顔を心掛けていました。すると彼からサプライズプレゼントがあると言われ、小包を渡されました。その包み紙を見た瞬間、それまで痩せ我慢で押し殺していた未練が一気に解放されました。なんとその包装紙はあのミラーを販売していた百貨店の包みだったのです。その瞬間に私は直ぐに彼からのプレゼントを察してゆっくりと箱を開きました。箱の中にはやはり、あの限定品のミラーが入っていたのです。しかもミラーは2色展開だったのですが、私が欲しかった黒いミラーでした。彼は発売日直前に、私がミラーの販売情報を目にして零した「欲しいな」という何気ない一言を忘れずにいてくれたらしく、発売日まで気にかけてくれていたのです。しかも発売日当日の朝に、私より出勤時間が遅い彼はわざわざ通勤経路から外れた駅にある百貨店に立ち寄ってミラーを購入してから仕事場に向かったと言うのです。彼が私の何気ない一言を忘れないで居てくれたこと、私が買い物に出掛ける気力すら失って仕事で疲れていたことに配慮してわざわざミラーを買いに行ってくれたこと、そんな彼の思いやりの気持ちが本当に有り難く思わず涙が出ました。彼は「泣くことはないだろう、大げさだよ」と笑ってくれましたが私は嬉し涙と感謝の気持ちでいっぱいになりました。今思えば彼だって仕事で疲れていただろうに、自分のことで精一杯だった自分の器量の小ささが恥ずかしく悔やまれます。自分にも彼にもっと寄り添って悩みを聞いたり、彼を喜ばせるサプライズが出来る心の余裕があればと後悔しています。まだまだ一人前に成りきれていなかった幼稚な自分は、何度思い返しても恥ずかしいです。しかしこんな未熟な自分でも日頃から彼の前では素直でいたいと思っており、自然に溢れた笑顔や感謝の言葉が彼にとって癒しになっていたと聞いた時は嬉しかったです。元々何かしてもらった時は必ず感謝の意を伝える性格なので、どんなに小さなことでも彼にしてもらった際にはきちんと「ありがとう」を伝えていました。そんな所を彼は好いてくれて、私に対してもっと気遣ってあげたいと思うきっかけになったと言ってくれました。真摯に彼に向き合っていたことは今でも本当に良かったと思っていますし誇りでもあります。好きな男性からのプレゼントは、内容に関わらず本当に嬉しいものです。プレゼントを選んでくれた時間、自分のことを思って購入してくれた心遣いが一番のプレゼントなのです。もし自分が欲しがっていた物ではないプレゼントをもらって不満を抱えている方がいましたら、プレゼントは結局何をもらったかではなく「プレゼントしようと思ってくれたお相手の優しさ」が大切なのだとお伝えしたいです。かと言って物欲が過ぎてプレゼントしてもらうために媚びを売るのはあまりお勧めしません。結局は二人の間の「思いやりの精神」が如何に強いかが重要なので、一時的に彼に優しくしても絆は生まれません。そんな一瞬の優しさは見抜かれますし、そこまでしてプレゼントをもらっても純粋に自分が喜べないように思います。あまり彼に対して欲深くなり過ぎず、常に謙虚に接することで自然と男性から「優しくしてあげたい」と思ってもらえるようになりますし、そんな彼の思いやりこそ最も大切にするべきなプレゼントなのだとお伝えしたいです。
30歳女 彼から貰った手鏡 そこに秘められた彼の優しさに思わず感涙
